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(2014年12月24日)
2014党の指導が、人民およびすべての国家権力を覆い尽くしている。 党は、党委員会を各級立法機関、行政機関、司法機関の内部に設置し、これをもって人民代表機関の立法に関与し、国家行政機関およびその業務部門の法執行に関与し、法院など司法機関の裁判に関与し、具体的な事件の処理結果を決定している。 中国のある学者は、党の指導を否定しているわけではないが、次のような指摘をしている。 “行政機関、法院、裁判官と検察院、検察官、さらに公安捜査官は、同一の党委員会を「家長」とする一家を構成している。 行政訴訟事件において、法院、裁判官と被告の行政機関は一家であり、彼らの背後には党委員会が控えており、行政への対立者は「外人」となる。刑事事件にお いては、法院、裁判官と公訴事件の捜査官および検察側は一家であり、彼らの背後にも党委員会があり、被告およびその弁護士は外人となる。民商事事件におい ても対立する当事者がそれぞれ国有企業と非公有企業であれば、法院、裁判官は、親戚(国有企業)と外人(非公有企業)との間の裁判をすることになる。党と 国が不分の体制下にあって法院、裁判官を指導する党委員会と国有企業は親しく、非公有企業との関係は疎遠であるので、この種の裁判の公正性について懐疑的 にならざるを得ない。” 中国で、三権分立は存在しない。中国は法治国家を建設するというが、「三権分立のない国は、法治国家ではない」と言ったのはプラントだったか。 以下の写真は、今、中国の街中のあちこちに掲げられているスローガンである。社会主義の価値観は、「富強、民主、文明、 和諧、自由、平等、公正、法治、愛国、敬業、誠信、友善」であるという。そして、中国人の心は「和」であるという。新しい文明を講じるとき、「利人即是利 己」というのもある。 今、中国は、親密で水入らずの「家族」=ゲマインシャフト(共同犠牲)から、見知らぬ人ともうまく過ごす必要のある「社会」(今の場合は、国際社会)=ゲゼルシャフト(共同利益)に入っていかなければならないのだろう。