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(2015年01月14日)
日中両国の平和で友好的な関係が永く続くことを願って、日中両国の小学生の文通、中国人小学生の訪日ホームステイなどの活動を続けている特定非営利活動法人(NPO)がある。「日中児童の友好交流後援会」(以下、「後援会」という。)である。 この後援会は、終戦当時、旅順(現在の中国遼寧省大連市旅順口区)にあった小学校・中学校の児童・生徒あるいは教職員が中心となって、日中児童の友好交流を推進することを目的に1992年7月に旅順児童教育後援会(初代理事長・川畑文憲氏)として設立された。 現在、名称を上記の通り変更し、江原規由氏(元JETRO大連所長、上海万博日本政府館館長)が理事長となり活動を続けている。 2014年12月26日から29日の間、後援会訪中団が大連市旅順口区人民政府、中国側のパートナーである九三小学校などと訪問、交流をした。筆者もこの訪中団に一部参加させて頂いた。今、良好とは言えない日中関係の中にあって、ほっとする友好交流に出会った。 訪中団は、江原理事長を団長とし、日本側のパートナーである目黒区立鷹番小学校の濱淵教諭、土屋教諭、また、九三小学生のホームステイを受け入れてくださった竹口さんご家族(小学5年生と2年生の男子も参加)を中心に構成された。日本人小学生の書いた手紙をボランティアで中国語に翻訳してくれているのは、大連外国語大学日本語学科の学生諸君で、大連外大のリーダーは肖輝准教授である。肖先生も訪中団の一員に加わって下さり、大連外大の日本語学科の学生諸君もアテンドしてくれた。 九三小学校では、張青校長と面談した後、歌や楽器演奏など両国小学生を中心とした交流が行われた。非常に温かいもてなしを受けた。竹口さんご一家は、28日に同家にホームステイした李京航さんの家庭を訪問し、交流を深められた。 旅順口区政府では、楊伸書記、衣慶春区長を始め、教育局、経済合作局、外事局の方々と面談した後、招宴も催された。楊伸書記は、後援会が中日友好・交流に貢献されていることを非常に高く評価する発言をされていた。楊伸書記は、1996年から2002年の間、教育局長に就任されており、この時から後援会の活動に着目し、期待をされていた由である。今、中央政府が政府予算の引き締め、緊縮をしている中、後援会訪中団のために特段の招宴を催してくれたことからも中日友好・交流に対する評価が本心であることが十分に理解できる。 江原理事長は、22年間にわたって後援会の活動が滞ることなく継続できているのも旅順口区政府の支援があるお陰で、今後さらに活動を広めたいと言う。日本の小学生が訪中団に加わったのは、今回が初めての由である。九三小学生のホームステイを受け入れてくださった竹口さんご家族の素晴らしさでもあろう。 後援会の訪中団は、これからの日中友好のあり方が感じられるものである。このような日中交流が様々な分野で広がり、深まることを期待したい。日中児童の友好交流後援会のHPは、http://www18.ocn.ne.jp/~ryojun/index.html である。
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