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LastupDate:2004/10/20
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コラム、『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第28回 秀水文化の混迷(その5)

――文化、街づくり、ニセモノ、個体戸 v. 大企業、利権 etc.

(2004年10月20日執筆)


むすび


   北京で有名な観光地の一つにも数えられるアウトドア市場「秀水市場」撤去、そして大規模の現代的モールの建設計画の真の理由は、何なのだろうか。
    火災の危険や不法流入者の増加による治安問題、またはニセモノの取締り、街の景観改善などの公共利益を維持するというタテマエがある。一方で中国のマスコミなどが注目する政府関係部門および大企業の表裏一体の関係の存在と彼らによる利権獲得という実態、ホンネの部分が見えてくる。ニセモノ対策であれば、根源対策が必要なところであり、この対策としての現代的モール建設という考えでは、お粗末である。
   「秀水文化」といわれるまでになったのに、これをなくすことを惜しむ声は、外国人観光客の中にも多い。この文化の中には、中国人と外国人とのコミュニケーションを楽しむ姿がある。外国人は、買う気がなくとも中国語で個体戸と値引き交渉することを楽しみ、中国人は英語で交渉することを楽しむ余裕がある(詐欺の意図を持った悪徳個体戸も少なくないが。)


(商品価格はあってないようなもの。個体戸と外国人の交渉があちこちで行われている。)


   文化や街づくりの理念は、それぞれの地区の特色や、地区の住民、商業者などの意向を十分に反映しつつ、住みやすい環境を作ることである。このために商店街、行政、企業や市民など、利害関係を有するさまざまな組織などが集まり、街づくりを総合的に企画・調整し、実現するという過程が必要である。これが、本来の「住民参与」「民主化」である。街づくりにおいては、行政と民間部門は、車の両輪とならなければならない。
   中国で「住民参与」「民主化」という言葉が聞かれ、目にするようになったが、まだ形式的である。「民主化」を進めるには、第一に行政改革がなされなければならず、第二に市民自らが意識改革をし、参与意識をもつことが必要である。



次号の更新は11月10日(水)ころを予定しています。

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