梶田先生のコラム
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LastupDate:2005/3/9
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チャイナウォール
コラム、『チャイナウォール』−中国人の法意識−
第37回 消費者の商品ブランド意識
(2005年3月9日執筆)
中国市場での販売競争が激化している。外国企業製品の直輸入、中外合弁企業の製品の内販、そして内陸資本企業の製品販売と競争参加者も増加している。北京オリンピックおよび上海万博の開催へ向けて、市場獲得合戦は、ますます激しくなる。 このときに如何に中国市場におけるシェアを獲得するかは、企業の販売戦略にかかってくる。 この場合、中国人消費者の商品ブランドに対する意識を理解することが最も重要であると指摘される。具体的な戦略策定においては、
1.消費者意識を知り、2.ターゲットを絞り、3.ターゲットに対応した商品価値の創造が求められる。
1〜3の意味は、以下のとおりである。
消費者を知るとは、如何なる層の消費者が、どのような商品をなぜ購入するのかということである。
ターゲットを絞るとは、販売対象を特定すること=ターゲティングポリシーが必要であるということである。1920年代にGMの子会社社長をしていたアルフレッド・スローンは、当時、経営危機に陥っていたGM再建を託され「組織研究」を通じて統一された組織の重要性を述べ、企業体の編成を実現するという革新をしたと同時に、組織と需要予測、生産、マーケティングを合致させるという革新をやってみせた。自動車の需要には、所得階層に応じた「需要のピラミッド」が存在し、それぞれの所得階層別に商品開発をし、販売をするという戦略が必要だということを明らかにした。中国には13億人の人口がいるので、膨大な市場があるというのは幻想である。明確なターゲッティング・ポリシーが策定されなければならない。
ターゲットに対応した商品価値の創造とは、中国人の自分なりの個性を重視した生活をしたいという欲求・注文に応じるということである。個性的な商品開発といえようか。単なるバーゲン価格よりも、消費者の琴線に触れることが大切であるといわれる。
最近、北海道・東北21世紀構想推進会議が、地元の商品を中国に輸出したいと、中国において中高所得層の男女各8人に日本のリンゴ、日本酒、ホタテ、揚げかまぼこを試食してもらった上で、グループインタビュー方式で評価を聞いたところ、「日本食品は高品質だが高価格」という結果が得られたという(日本経済新聞 2005年2月10日)。 日本企業の製品に対する一般的なイメージもこうであろうか。このイメージを生かすも殺すも、企業の販売戦略次第である。 さて、中国人消費者の商品ブランドに対する意識は高まりつつある。一方で、工業製品に対するブランド意識は依然として低いといえそうである。B2Bで成功するにはどうすればよいのか。今後の検討課題といえる。
北京王府井通りにある「東安市場」前の風景。
王府井では、国内外のカーメーカの展示がしばしば行われている
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