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LastupDate:2005/4/27
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コラム 『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第40回 日中政冷経熱の温度差

(2005年4月27日執筆)

     4月22日(金)に青森市において「王毅駐日中国大使講演会」が、青森県の主催により開催された。この講演会は、中国のおける反日デモが継続している時期に開催されたものであったために、聴衆名を事前登録させ、当日は空港以上に一人一人の手荷物検査、金属反応チェックがなされるという厳しい体制が敷かれた。筆者も青森中央学院大学の中国人留学生および中国語を学習している日本人学生40人を引率して講演を聴いた。
   王大使は、「中国経済の発展と日中経済交流の展望」というテーマで質疑を含めて1時間半にわたり、日本語で講演をした。
   この講演の中で王大使は、日中の政治問題についても言及した。日中の政治問題にかかわる王大使の発言要旨は、以下のとおりであった。
   「日中間の政治関係は、やや問題を抱えている。政冷経熱現象は、ねじれ現象であり、非正常。放置すれば日中関係が不安定になる。最近、中国の幾つかの都市で(反日)デモが行われ、ごく一部のものが過激な行動をとった。中国公安当局は、最大の努力でとるべき措置をとった。
   なぜ、多くの若者が集まったのか。貧富の差があってデモに参加するのではなく、彼らはほとんどが中国の豊かな層。彼らは日本および世界の情勢を知っている。
   日中間で歴史問題はまだ完全解決されていない。日中双方、いろいろなレベルで対話を開始し始めている。33年前の日中国交正常化の時の困難よりもやり易い。    日中は永遠の隣人。アジアという家庭の中の兄弟である。    喧嘩は発展の中で解決できる。解決に向かって重視すべきことは、以下の3点である。

     (1)日中関係の原点=日中共同声明を忘れないこと。言葉だけでなく、行動で示すこと。
     (2)相互理解を深める。いろいろなレベルの交流をすること。
     (3)互いに脅威とみなさず、パートナーとみなす、共通利益を拡大すること。
以上によって、日中でアジアを振興しよう。」
   講演会は、大変に友好的な雰囲気の中で行われた。しかし、「友好は易く理解は難し」(竹内実、サイマル出版、1980年)か。竹内実の近著『中国―欲望の経済学』(蒼々社、2004年)が面白い。



次号の更新は5月11日(水)ころを予定しています。

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