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LastupDate:2005/3/23
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コラム、『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第38回 クイック・サービスを求める消費者と
                            フランチャイズ・ビジネス発展可能性

――ビジネス・契約上の留意点

(2005年3月23日執筆)  

ファースト・フード店の流行
最近、中国でファースト・フード店が流行っている。ケンターッキー・フライド・チキン(KFC)は、持ち帰りサービスの利用客が毎日2億人にのぼるという。中国商務部のデータによると、中国では2003年末までにフランチャイズ経営の加盟店舗数は8万2,000もある。2005年2月1日から「商業特許経営管理弁法」(フランチャイズ経営管理弁法)が施行されたので、今後、フランチャイズ店は一層増加すると考えられる。 マクドナルドは、全国99都市に580店、2008年には1,000店に増やしたいという。スターバックスは、2004年6月時点で10都市に98店舗であったが、現在ではさらに多くなっている。 このようなファースト・フード店流行のけん引役は、主に若い女性客である。ミスター・ドナッツは、まだ10店舗しかないが、利用客の年齢層は21から25歳で、85%が35歳以下、このうち65%が女性客であるという。ピザ・ハットでも利用客は40歳代前半以下の女性客が多いという。
クイック・サービスへのニーズ増:中国人の生活、意識に変化
ファースト・フード店流行の大きな理由は、クイック・サービスにある。少し前の中国人については、何でものんびりしており、時間の観念がないというイメージが強かっただろうか。このためビジネス交渉でも中国人に負けない辛抱強さ、粘り強さが必要不可欠であるといわれていた。 市場経済化が進み、競争が激化する中で、企業の時間管理が厳しくなり、のんびりとして入られなくなったのか、或いは寸暇を惜しんでビジネスチャンスを探し、稼ぎたいと思うのか。結婚紹介所の「八分間お見合い」ビジネスというのも生まれている。1時間のうちに、各人が八分間ずつでパートナーを交換すれば、8人とデート、お見合いできるというものだ。
フランチャイズ・ビジネスの留意点:消費者の意識という視点から
さて、中国でフランチャイズ・ビジネスが公認され、今後、当該事業形態が増えると考えられるところ、ビジネスの実務や契約上の留意点はないだろうか。主にFC店と消費者という関係でもっとも重要なポイントは何だろうか。  先ずは(1)消費者の利便性がFC店の売りであるから、立地およびクイック・サービス(QS)ということになる。次いで(2)QSということから従業員の教育・訓練が重要である。そして(3)FC店で使用する原材料等の物流が問題となる。  消費者は、QSを求めるとは述べたが、FC店選択の理由は、中国市場調査公司のアンケート調査によれば以下の順番となっている。第1に味の良さ、第2に衛生状態、第3に場所的利便性、第4に便利さとQS、第5にサービスのよさ、第6に合理的価格と続く。 フランチャイザーは、フランチャイジーとの良好なコミュニケーションをとり、消費者の意識を十分に把握した上で、以上の問題意識を持ちつつマネジメントしていかなければならないだろう。




北京荷花市のスターバックス



次号の更新は4月13日(水)ころを予定しています。

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