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(2006年3月8日執筆)
中国で公務員の規模が多いことが問題となりつつある。とりわけ全国人民代表大会がある3月にこの問題が、ホットな話題になるという。 中国の公務員数が著しく多いというのは、GDPに占める公務員に対する財政支出割合が先進資本主義国の20倍であるというからである(中国改革報 2006年2月13日)。 「公務員法」が2006年1月1日から施行された。同法2条は、「公務員とは、法により公職を履行し、国家行政組織に組み込まれ、賃金福利を国が財政負担している工作人員をいう。」と規定している。すなわち、公務員の概念に入るのは、一般に言われるところの「党政幹部」であり、これが国家行政幹部というものと同義になるが、この幹部が約650万人おり、党が機関や団体に派遣する専業幹部が約1,100万人である。また、国家財政により支出される対象となっている「財政供養人員」には、党政機関幹部、事業単位幹部、およびその従業員、退職者、農村の指導者である村組幹部がおり、この人数は5,000万人にのぼる。 GDPにおける国家財政による負担割合ということでは、先進資本主義国の20倍にのぼるが、全人口に占める公務員数ということでは、先進資本主義国よりも随分と少ないという(経済日報 2005年5月26日)。米国の場合は、公務員数は全人口の3.25%であるところ、中国は0.86%であるという。 さて、公務員の規模がこのように問題にされているのであるが、実際上はこの規模が根本的な問題となっているわけではない。公務員が如何なる仕事をしているか。人民大衆の利益を代表し、社会の公共秩序と公正さを維持し、社会の持続的発展に資することを行っているか否かが問題である(南開大学周恩来政府管理学院課題組)。
次回の更新は3月22日(水)の予定です。
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