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LastupDate:2007/2/14
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コラム『チャイナウォール』−中国人の法意識−

 第83回 消費者協会を利用した集団申立
―コダック・デジカメの品質不良事件、消費者協会で初の公聴会

(2007年2月14日)

   中国国際貿易促進委員会・中国国際商会調停センター(調解中心)は、同センターのホームページ(http://lad.ccpit.org/wadr/news_show.aspx?ID=151)で、コダックが2006年下半期に全国11都市のデジカメ・ユーザーから起こされたクレーム問題について、独自の調停により解決をしたことを紹介している(2007年2月2日)。
   この事件は、以下のようなものであった。
   2006年7月に中国消費者協会は、中国11都市の300名余の消費者からコダックのデジカメに重大な品質問題があるとの申立を受理した。
   消費者による訴えの内容は次のとおりである。消費者が3500元で購入した400万画素デジカメが、購入後1年前後でレンズ部分に損壊が生じ、露出補正ができなくなる故障が生じている。これに対して、コダックは、保証期間が過ぎているものは、1000元でレンズを交換するか、または別途対価を支払えばグレードアップした製品と交換するというが、これはそもそも製品の構造に欠陥があったものであり、コダックの言い分は認めがたいというものであった。
   中国消費者協会は、8月に集団申立調停公聴会を開くことにした。このような方式で消費者からの訴えを調停するというのは、同協会にとって初めての試みであった。
   しかし、この公聴会にコダックは出席を拒否した。というのは、中国消費者協会がコダックに送った書面に「責任者を派遣し、応訴するように」との文面があったからである。コダックからすれば、「中国消費者協会の消費者申立受理規定」1条2項は、当事者の自由意思、適法、合理、公正を基礎として申立を受理し、調停を行うと定めているところ、「応訴」という名目で会議に出席するのはおかしいというのである。
   9月に中国消費者協会がコッダックのデジカメに対して行った品質検査報告書が内部報告書であるにもかかわらずメディアに洩れ、コダックのイメージが大きく傷つけられることになった。
   その後、コダックは、中国消費者協会および消費者代表と何回も協議をし、合理的な解決案を提示するよう努めるので、中国消費者協会における消費者の申立の審理は延期するように主張した。コダックは、各都市に問題解決チームを設置し、消費者と直接協議をして問題の解決を図った。10月末日に関係消費者の87%と和解案で合意するに至った。
   さて、中国の消費者による製造物責任や不正競争販売を理由とした訴えが増えている。このとき、中国消費者協会の利用も増えており、同協会の「権威」も高まってきているようである。消費者からのクレームに対して、初期対応を誤ると問題を複雑化させ、対立を激化させることもある。
   コダックは、当初は消費者協会の権威主義に反発もした。世界一流の多国籍企業を相手に初の公聴会を開いてやろうとし、この通知はコダックには1日半前に届いたという。さらに中国消費者協会の内部文書が、メディアに洩れる。中国事業を行なう企業にとっては、複雑なリスク・マネジメントのあり方を検討することが如何に重要か。今後は、中国でさまざまな製品についてのリコール制度が設けられることにもなると考える。


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